2010/04/12
納期
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PFM
#11 PFM Crown Creation CC
歯科技工士の仕事は、歯科医師からの指示のもと差し歯や入れ歯を作るわけですが、
必ず納品期日というものがあります。それは技工指示書に記されており、
その日までに必ず歯科医院に戻さなければなりません。
患者のアポイントまでに歯科医師自らが仕上がってきたものを確認する時間、
場合によっては調整する時間が必要になってくるからです。
日々、取引している歯科医師の方々から預かるケースに関して、
歯科技工士の方でその量をコントロールすることは出来ません。
ある程度の日数を頂き、その中で仕事を回せるようにスケジュールを立てます。
時期的なものなのか、偶然なのか、仕事が集中することもあり、
納期までの時間が短ければ、断るか、手を抜くか、プライベートの時間を削るか。
当然断ったり、手を抜けば、次の仕事は無くなるでしょうから、
ドクターとの信頼、患者のことを思い、遅くまで働くことが多いのが歯科技工士です。
うちでお付き合いただいているドクターの中に、
納品期日を指定してこないドクターがいます。
はじめは違ったのですが、うちが小さなラボだということ。
全てのケースを私自信が責任もって手掛けている事を伝えてからは、
『 納期については電話で 』 ただこれだけがいつも記されています。
私たちの手元にケースが届いてから、どのような症例で何日ぐらい必要かを確認し、
その後、他のドクターのケースとのスケジュールを調整します。
3、4日すると彼のオフィスの方から納期確認の電話があります。
通常は2週間から3週間。忙しい時期はかなり言い辛いのですが『 4週間... 』
それでもいつも快く了解してくれます。
日々納期に追われている歯科技工士にとってはありがたい話です。
たまに、患者の都合で納期を指定してくる事があるのですが、
前もって確認の電話があります。彼自ら 『 申し訳ないんだが...』 と、
そんな時は二つ返事で 『 OK 』 と答えます。
いつも気を使ってくれていること、私にはしっかり伝わっています。
その気持ちがすごく嬉しいし、やる気にも繋がります。
そんなドクターのオフィスのスタッフも、みんな優しいしとても親切です。
たとえば、ちょっとしたトラブルなどでどうしても納期に間に合わない時、
『 アポイントは○日○時だから、それまでにはお願いね 』 と、救われます。
嫌味の一つ言われても仕方の無い状況、もちろん私が悪いのですが、泣けてきます。
彼の人柄、そして思想はそこで働くスタッフをも変えるのか、
いや、そんな彼の周りには同じような人間が集まって来るのかもしれない。
彼は最近になって “BEST of LA” というTV番組にも紹介されていました。
インターネットなどの患者さんからのレビューも素晴らしいものばかりです。
そんな彼のところに、患者も安心して足を運ぶのでしょう。
彼とは3年程のお付き合いになりますが、共に仕事ができることを誇りに思っています。
その間、全てのケースで良い評価を貰っているわけではありません。
微調整が必要で、その度に何度も戻ってくるケースもありました。
再製となった原因の、解釈の違いで揉めた時はしばらく仕事が出ませんでした。
おそらく、患者を思っての彼なりのこだわりがそこにはあるのでしょう。
精神的にも技術的にもまだまだ。
これからも彼の信頼できる “ BUDDY ” であり続けるために。