2010/12/30

来年も
















KaVo FLEXspace     work bench

今日は半日使って年に一度の大掃除。普段から気にはかけてますが、やはり汚れる。
いつも使っている機械類はねじを緩め、普段できないところまで。
手が届くところはすべてきれいにし、今年の埃を取り除く。

この一年の労をねぎらうように。来年もよろしく。

そして、これから近くの居酒屋で恒例の忘年会。
いつも頑張ってくれているスタッフと共に、感謝の気持ちを込めて。
普段たいしたことをしてあげれていない。
今日ぐらいはいっぱい美味しいものを食べて、飲んで。

いい年を迎えられるように。そして、また来年もよろしく。

皆様も、良いお年をお迎えください。

2010/12/29

単純に















#15 Full Gold Crown     Type Ⅲ Gold

歯科技工士の私が、上顎の第一、第二大臼歯(いわゆる上の奥歯)をクラウンにするなら。
その材質は金。迷わずフルゴールドクラウンで作ります。もちろん、私自身の手で。

マージン封鎖性はその他の材質の比ではありませんし、
クラウンそのものは絶対に壊れませんから、耐久性に関しても問題にはならない。
鏡面仕上げされたゴールドは生体親和性も良く、また対合歯にも優しい。
上顎の奥歯はそもそも真正面からでもあまり見えませんし、
大口開けて仰け反る事でもなければまず見えませんから、白くなくてもいい。
しっかりとケアすれば一生ものだと思います。

金は耐食性、耐酸性が優れている事から古くから装飾品などにも多く使われている。
人類が金を手にしたのはおよそ六千年も前と言われ、今もなお、人々を魅了し続けている。
限りある資源と考えるなら、その価値は更に上がる可能性を秘めていますから、
口の中に入れる価値ある材質としての需要は上がるかもしれません。

ここ数年、金は高騰し続けています。
開業当初の5年程前、私が仕入れる18K(カラット)の歯科用金属は$400程度。
先日仕入れた同じ金属が およそ$950。軽く倍以上。

金属が高いからと言う理由だけで安易にオールセラミックを勧めるのなら、
あまりにも無責任過ぎますし、将来性も踏まえた治療であることが医療では絶対条件だ。
補償期間の10年(?)が過ぎれば、患者にも言い訳がし易いのだろうか。
自分が患者であれば何を入れるのかを考えたとき、
歯科医療に携わる人間であれば、ある程度答えは出ているはず。

2010/12/20

潔く
















#29, 30, 31 PFM Bridge    Creation CC

誠に勝手ではありますが、
この “BDA Gallery” 来年一月、丸一年で終了させていただくことにしました。
英語版は、そのまま画像だけの更新になると思います。

私自身としては、よくここまで頑張って来れたという満足感でいっぱいです。
仕事の合間をみては、写真を撮り編集し、記事を投稿する。
毎日更新なされている方に笑われてしまいそうですが、 私にとっては苦労の連続でした。
取り留めのない偏った記事ばかりでしたが、それなりに伝える努力はしてきたつもりです。
仕事に支障が出た事もありました、慣れない事をする物ではないと後悔した事もあります。
とりあえず掲げた目標の一年。なんとかクリア出来そうで、今はただ、ほっとしています。

そして、なにより。

こんなブログに足を運んでくださっていた皆様方、
コメントをくださった方々、ブログがきっかけで出会えた方々。
そういう出会いなくして、ここまで続けられたとは思えません。
『見てます。』の一言がこんなにも嬉しいものだとは思いませんでした。

そして、有り難いものですね。

2010/12/16

三十而立

タイトルにある『三十而立』。これは聖人である孔子の言葉。


吾十有五而志于學、三十而立、四十而不惑、五十而知天命、
六十而耳順、七十而從心所欲、不踰矩。

私は十五歳のとき学問に志を立てた。
三十歳になって、その基礎ができて自立できるようになった。
四十歳になると、心に迷うことがなくなった。
五十歳になって、天が自分に与えた使命が自覚できた。
六十歳になると、人の言うことがなんでも素直に理解できるようになった。
七十歳になると、自分のしたいと思うことをそのままやっても、
人の道を踏みはずすことがなくなった。           (『論語』・ 旺文社


あの孔子でさえ、四十まで迷いがあったと言える。
三十半ばの私が歯科技工にしてもビジネスにしても、
また、人として生きる上で、迷うのも無理はない。

30代。どうせならこの迷い、徹底的に迷い抜くと心に決めた。

誰しも時間には限りがある。更に言えばその期限は人それぞれ違う。
限りある中で、その瞬間をどれだけ一生懸命生きたのか、
迷いながらでもどれだけ真剣に向き合えたのかで、最期の瞬間に思う事は違う気がする。

必ず訪れるその瞬間、何を思うのか。

生きてきた道のりが未来の自分に間違いなく反映される。

今、どう生きるのか。

一つ年を重ねることの重みを、感じずにはいられない。

2010/12/13

責任
















#3,19 PFM Crown     Metal Coping

最近、うちの仕事の95%はPFM(メタルセラミック)になっている。
望んでそうなったわけでもなく、特に勧めているわけでもない。
以前は15%ぐらいはオールセラミックのケースも手がけていた。
今では1〜3% ぐらいだろうか。

オールセラミックが審美的には有利なのは疑う余地もないのだが、
私の憧れている歯科技工士の方々はPFMとはいえ、素晴らしい審美的回復を実現していた。
そんな歯科技工に憧れた一人なので、いつかは自分もと、どこかこだわってしまう。
色調や強度を考えれば、理想的なポーセレンの厚みが重要になってくる。
支台歯形成にもよるが、最終外形がメタルコーピングからイメージ出来る。
そんなメタルワークがあっての審美的回復であり耐久性でもある。

うちで手がけたケースに関しての保障期間は、一応書面で1年と伝えている。
さらに言えば、一定の条件の下でと付け加えて。
ただ、いかにもマニュアル的で、私自身疑問がある。

一つに壊れた原因の究明は困難だからだ。歯科医師か歯科技工士か。
それぞれの立場を守ろうとするなら、多くの場合は平行線のままだろう。
原因は一つではないかもしれないし、その原因と思われる事ですら一つの仮説に過ぎない。
さらには、患者自信に原因が無かったとも言い切れないのだから。

二つめは前回記事にもしたが、形あるものはいつかは壊れると思っている。
それは明日だろうと壊れないということを保障するのは非常に難しい。
壊れた時にどうするかの保証なのだが、そもそも壊れないように最善は尽くしている。
その保証を示すことに矛盾を感じている。

三つ目は保障期間外なら責任逃れができてしまうということ。
うちの場合、1年の保証と書面にある以上1日でも過ぎていれば、保証対象外。
全額請求しても何ら問題は無い。しかし、そんなライン引きは都合の良い守りでしかない。

2010/12/07

伝える

伝えたい事はあっても上手くまとめ、記事にすることができない事は多い。
もともと文章を書く事も読む事も得意ではない私が、無謀にも挑んだこのブログ。
想像以上に時間をかけて記事を編集し更新しています。

恥ずかしい話、何度も読み直し誤字脱字を確認したり修正を加えているうち、
おおよそ暗記すらしてしまいそうな勢いです。
投稿後に、おかしなところに気が付き、再投稿し直すことなど当たり前。
そんな事を繰り返しながらなんとか更新するのですが、それでもおかしかったりします。

言葉でも文章でも、人に何か伝えるという事は本当に難しい。

しかし、名言と呼ばれるものは、ほんの数行、あるいは一行で人の心を動かす。
元気が出たり、 涙したり、励まされたり、勇気付けられたり。
余計な言葉はいらない。不思議なもので言葉とは飾り付ければ付けるほど嘘臭くもなる。

最近、ある芸人の名言に心打たれた。

初めて彼を見たときの衝撃は今でも忘れない。
とにかく笑った、息ができないくらい笑った。
そして、こんなに笑ったのいつぶりだろう . . . と、我に返った。

不器用でも一生懸命に。

見ているすべての人に、彼は伝えている。
嫌いな人のほうが多いかもしれない。でもそんなこと気にしちゃいない。

江頭2:50 の 名言

2010/12/02

形あるものは...
















#3 PFM Crown     Creation CC

小さい頃、親が大事にしていた皿を落として割ってしまったことがある。
「形あるものは、いつかは壊れる。」小さい頃、そう諭され救われた。

私は人工の歯を作る仕事をしているが、意図せず口の中で壊れてしまうことがある。

ある一人の患者さんで、同じ歯を4回作ったことがある。
いまだにこれという原因がはっきりしないのだけれど、初めての経験だった。

上顎右側の第一、第二大臼歯のPFM単冠のケース。
問題になったのは第一大臼歯。そもそも対合歯とのクリアランスがなく、
ドクターはリダクションコーピングを使ってクラウンに合うように支台歯を再形成。
そして、二つのクラウンは無事セットされたはずだった。
ところが数時間後。患者は慌ててドクターのところに戻って来た。
第一大臼歯のクラウンが破折したらしい。
ドクターから私に直接連絡があり、作り直してくれと言って来た。
リダクションコーピングをリクエストされたケースに関して、
うちでは保証対象外としていることは既に伝えてある。

『すぐにやり直させて頂きます、請求書は改めて... 』と。

2つ目のクラウンはすぐに作り直された。保証外とはいえ、半額だけの請求書と共に。
すると、ドクターから連絡があった。ご丁寧に手紙で。

2010/11/17

チャンス
















#3 PFM Metal Frame for Implant Screw-Retain Restoration
ASTRA TECH CastDesign 4.5/5.0 Abutment

人に何かものを頼まれた時は、これ以上無いチャンスの瞬間だ。
それは自らを大きく飛躍させるかも知れないし、
新しい出会いや新しい展開へのきっかけになるかもしれない。だから、

人にものを頼まれた時は、そのことに対して全力で挑むべきだ。

出し惜しみなく、己の力の限り。失敗しても、その努力は買ってもらえる。
なんせ相手が困っているから、頼られているのだ。
たくさんいる中で自分を頼ってくれたのには、必ず理由がある。

頼む方にも選ぶ権利はあるのだから。

そして、その結果が望んでいたものなら、自分自身をまた一つ大きくすることができるし、
頼ってきた人を助けることができたなら、そこに一つの成功がある。

チャンスを作るために、頼まれもしないのに何かをする。
これは喜ばれるかもしれないし、大きなお世話、ただのおせっかいになる可能性もある。
誰でも人の心の中はのぞくことができないし、
喜んでもらえるだろうとしたことが裏目に出ることはある。
ただ、喜んでもらえたなら、それは大きなチャンスに変わる。
ある種、ギャンブルみたいなものだが、そこには過去の経験が結果として反映され易い。
カジノで大金叩くよりはよっぽどチャンスはある。

そして、何もしなければ、なにもない。
周りにいる心ある人にチャンスを与えられるのかもしれないが、
チャンスと気付く事もなく、またそのチャンスを掴むだけの技量もない。
そもそも何もしない人は、そういう心ある人にも恵まれない。

チャンスはゴロゴロ転がっている。

2010/11/13

気持ち

















SPECTRUM dialogue     THE VOICE OF TECHNO-CLINICAL DENTISTRY

先日、年間購読をしている SPECTRUM dialogue という雑誌が手元に届いた。
以前記事にした LMT とは違い、この雑誌は有料。1年間に9冊発行され、およそ$150。
毎回来るのを楽しみにしている。そして今回、なぜか同じものが2冊送られてきた。
黙って貰ってしまっていいものか、送り返した方がいいのか . . .

こういう時は良心に問う。

一応、出版している会社に問い合わせたところ、あちらの手違いだったようです。
そして、出版会社社長様から「興味のある方にでも差し上げて下さい」との嬉しいお言葉。

ということで BDA Gallery から、
ここを訪れてくださる方に日頃の感謝の気持ちを込めて、
この『 SPECTRUM dialogue -October 2010- 』を1名様に差し上げます。
日本までの送料も、もちろんこちらで負担致します。
興味がある方は右横の “Contact Us” まで E-mail にてご連絡下さい。
後日、改めてこちらからご連絡させていただきます。
もし、複数の方々からご連絡をいただいた場合、申し訳ありませんが、
先着順とさせていただきますので、予めご了承ください。

ご連絡有り難うございました。

2010/11/09

冬時間














West Los Angeles,  CALIFORNIA

先週の日曜、夏時間が終わり冬時間へと変わった。
週明け、仕事場に来るなり時計を1時間戻す。
例のごとく、いくつもある時計を一つ一つずらして回るのは面倒で、
年に2回あるこの作業、何とかならんのかと思いながらくるくるしていた。

11月とは思えないほど暑かった、つい先週。
今週はめっきり過ごしやすくなり、朝晩はかなり冷え込む。
このまま冬に移り変わって行くのだろう。

季節の移り変わりは時間の流れを感じさせる。
時計を回すのもアメリカ人にとっては、季節変わりの風物詩なのだろうか。
そして今年も2ヶ月を切った。グラスにあるのは二口分のワイン。
二口しかないと思うのか、二口もあると思うか。
良く言うたとえだが、同じ二口分。味わいは遥かに違う。

私なら、残り二口しかないと思う。

かといって、どうせ二口しかないと一気の飲み干す気もない。
どうしたら美味しく味わえるのか、二口しかないこのワインを。
手間隙かけた一品を添え、時間の許す限り楽しむ。

厳密にはもう2ヶ月もない。もう少し、やりたい事がまだ形にならない。

2010/11/05

尖閣

騒がれてます。沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件の流出映像

この映像を公表しないとしてきた日本政府、
私にはどうもお偉い方々の考えることが理解出来ない。
あれだけの証拠がありながら、なぜ毅然とした態度でまともな外交すらできないのか。
迷走する政府の発表を国民は信用するとでも思っているのだろうか。
日本が悪いと言われ、国民は真実を知りたがっていたはずだ。

何者かの勇気ある行動、関与した人物はそれなりの覚悟があるのでしょうね。
真実が公開されて良かったと思いますし、素直に感謝したい。
捜査が進むにつれて投稿した人物(Sengoku38)が浮き上がってしまうのでしょうが、
罪を負う事になろうとも、恐らく日本の国民はその行動を責めたりはしない。
陰の力に屈し、真実が公開されないことの方がよっぽど罪深い事だと思います。
一方では噓の情報で、日本に対して過激な抗議行動を起こしているわけですから。

映像は反中感情を燃え上がらせてしまうから公開しない方がいいと、民主党のお偉いさん。
どこぞの国の国民と一緒にするな。良識ある日本国民だ。

そして、映像が流出したことに対して自民党のお偉いさんは、
菅内閣の危機管理に触れ、インタビューの度に民主党政権への批判。
こんな時に政争を持ち出すな。そもそもそこじゃない。
今、そんなことを言ってるお前さんこそ、

危機管理ができてねーよ。

2010/11/04

40年


#3 PFM Crown     fired Creation CC Creapast

ロサンゼルスはここ数日、真夏のようです。今日の予想最高気温は37℃。
もう11月です。ハロウィンも終わったというのに。

ここを訪れてくださる人の中には、海外での生活に憧れている方もおられるでしょうか。
仮に20歳で歯科技工士になり60歳になるまで現役で続けられたなら、40年。
長い歯科技工人生の中で数年、海外を経験してみるのも悪くないのではないでしょうか。
歯科技工は世界共通の仕事です。ところ変わって、システムが変わろうが、
マテリアルが変わろうが、上司が変わろうが、歯を作ることに変わりはないわけですから。

海外に出たからといって凄いわけではないし、偉いわけでもない。
必ずしも成功する必要もないし、失敗したって、挫折を味わったっていい。

海外で働けるという一つの可能性、選択肢を生かさない手はない。

例えるなら、車の免許を取ったのに車を運転しないようなものだし、
有給休暇が貯まっているのに休暇も取らずに働いているようなもの。
自ら運転して観光地を巡り、壮大な景色に感動し、美味しい郷土料理を食べる。
あるいは、休暇をのんびり自分の趣味や家族、友人との時間に費やす日々。
そんな思い出も経験も、長い人生の中で必要だということは誰もが認識している。
長い歯科技工人生にもそんな経験は必要なのではないだろうか。
旅先で財布を落とすような苦い経験、久しぶりの休暇を怪我して台無しにしたとしても、
それもまた一つの経験。必ずそこから学ぶことがある。歯科技工もまた . . . 。

海外での生活は長い人生の中で、ほんの一部に過ぎないかもしれない。
だが、きっと思い出すことになる。そんな経験が自らの誇りや自信にも繋がるはずだ。
次はどこの国に行こうか、考えるだけでも楽しくなれる。

『歯科技工士のアメリカ海外生活・海外就職』

最近、よくお邪魔しているブログです。
アメリカでの生活や歯科技工について、気持ちがいいほどスパッと斬ります。
改めて気付かされたり、妙に考えさせられたり。
共感する部分も非常に多いのですが、その経歴にもなんだか興味津々です。

アメリカで働きたい人へのサポートも積極的に行っているようなので、
興味のある方はご相談されてはいかがでしょうか。

長い歯科技工人生、何か変わるかもしれません。

2010/10/29

LMT

 















 LMT (Lab Management Today)

今週に入ってから、朝3時起き。なんとか習慣化したい。
忙しいわけではないが、先延ばしにしてきたやるべき事がたくさんたまっている。
ブログの更新なんかも時間が経ってしまうと、その一つになる。
1日は24時間しかない、30代は無理してでもやると決めている。無理ができるうちに . . .

LMT (Lab Management Today)と言う雑誌がある。

どこの歯科技工所でも目にするこの雑誌は50ページ前後のもので、
歯科技工所経営者または従事者向けに月に一度、無料で送られてくる。
中身は新しい製品やサービスなどの宣伝、症例の紹介や各州で行われるイベント情報など。
さらに、毎回数ページにわたりレポートされる特集が興味深かったりする。

以前、うちのラボも取り上げられた事がある。その時の特集は『エコフレンドリー』。
















今月は2010年度の『全米歯科技工所の技工料平均』が掲載されている。
見出しには、“歯科技工料は厳しい経済状況の中で据え置かれている”とし、
今年値上げををした歯科技工所は全体の25%。残りの75%は据え置き。
中でも44%の歯科技工所に至っては2008年から値上げはしていないという。
うちも毎年値上げをし続けてきたが、今年はさすがに見送った。
多くの歯科技工所がここ数年足踏みをしている。さて来年は。

ちなみに先月は歯科技工士の平均給料。 ラボの規模や経験年数、
ポジションの違いによるそれぞれの平均時給が事細かにレポートされていた。

LMTより、2010年の全米における平均歯科技工料金をほんの一部だけ紹介します。

PFM(メタルセラミック)  $148
ラミネートベニア       $183
ゴールドクラウン       $113
e.max press         $186
ジルコニアクラウン    $200
コンポジットクラウン   $138
カスタムトレー      $30  
上顎のフルデンチャー   $256 
ワイヤークラスプ     $26 
診断用ワックスアップ   $27
サージカルステント    $79
ガム模型         $32
カスタムアバットメント     $159 
CAD/CAM ジルコニアアバットメント   $300
インプラントのスクリューリテイン技術料   +$108 

1ドル=100円だと計算がし易い。最近は円高なので実質的には大きく違いますが、
日本との為替による違いではなく、判断基準として100円は妥当ではないでしょうか。

2010/10/23

美味しい日本

 












Yokohama in JAPAN

久しぶりの更新です。先週、ロサンゼルスに戻ってきました。
時差ボケもなくなり、ようやく落ち着いてきたところです。
いろいろありましたが、感想 . . .

とにかく日本は美味しい。すっかり血肉になりました。

Geller氏による実習会、国際歯科大会、ワールドデンタルショー、
もちろん素晴らしかったですし、感動しました。
しかし、ここでツラツラと感想を述べられるようなものでもなく、
参加した方ならそれぞれ何かを感じた事でしょうし、
参加してない方にこの想いを伝えるのは、私のつたない文章力では難しい。
ただ、私の技工人生の中で生き続ける知識なり技術であり、
また経験になったのは確かですから、何かの機会に触れられればと思っています。
















oral design 2010 Symposium YOKOHAMA
Willi Geller Hands on course
#9,10,11 Zirconia Bridge     Procera Zirconia Frame with Creation ZI-F


世界中のoral designのメンバーが集まったGeller氏の実習会について、少しだけ。
ドキドキするようなワクワクするような、特別な緊張感の中で参加させて頂きました。
Geller氏の多色築盛に憧れ10年。今回初めてその技術を目の当たりにし、
氏の情熱に触れる事ができた2日間だったわけですが、

感動しました。上手く表現出来ないです。言葉にならないくらい。

2010/10/02

一時帰国
















Creation CC   Shade Wheels

来週、日本に一時帰国する。
ほぼ2年ぶりになる日本は、何か変わっただろうか。
カリフォルニアは明らかに住み難くなっている。
訪れた人を魅了してきた青い空と眩しい太陽も、今年はなんだかぱっとしない。
ここ数年アメリカらしさがめっきり影を潜め、隅でじたばたしているようにも見える。
そして、そこで生活している私もまた、じたばたしている。間違いなく。

7日、8日と横浜で実習会がある。
Willi Geller氏による2日間のこの実習会に参加することは、
アメリカで初めてクリエーションという陶材に出会ってから、ずっと願っていた。
夢というと大げさだが、それに近いものがある。

かれこれ10年。

Geller氏の実習会は世界各国で行われている。
当然、アメリカでも行われていてそのチャンスは何度かあった。
しかし、追われるような日々の中でスケジュールを調整をし、段取りをつけるのは難しい。
休みの間の売り上げや渡航費も受講料も。なかなか余裕はない。
何度かあったチャンスも、その時々の状況がそれを許さなかった。
今回も数ヶ月間ぎりぎりまで悩んで、先週ようやく申し込みを済ませた。
どうしても諦める事ができなかった。

私にとってこの2日間は特別なものになりそうだ。
Geller氏が率いるOral Designのメンバーも世界中から集まり、
この実習会のサポートに当たる。

ようやく、願いが叶う。

2010/09/27

送別

アメリカ生活も長くなると、帰国を決めた人を見送ることはよくある。
その存在が近ければ近い程、心に大きな穴が空く。
見送る側にとっては、その瞬間からまたいつもの日常に引き戻されるわけだが、

そこにいたはずの人がいない。

見送られる側は、その瞬間からただの思い出に変わるのだろうか。
新しい環境に慣れることに必死で、寂しい思いすら感じないかもしれない。

今までどれだけの人を見送ってきただろう。
悲しいことに、その寂しさにもだいぶ慣れてしまった。
昔話を語り合える仲間も減った。自分の送別会などもう想像も付かない。

また一人、ロサンゼルスを去る。
年下のくせに私のことを“君”付けで呼ぶ、そんな失礼な彼との付き合いは長い。
いい思い出ばかりではないが、 ロサンゼルスで出会い、同じ時期を過ごした仲間。
人懐っこさやなんだか憎めないそのキャラは、私が持ち合わせていない部分。
羨ましくも思え、会う度に考えさせられる。

熱く夢を語り合ったり、くだらない話で盛り上がったり。
今でこそ、毎晩のように飲みに繰り出し、朝方まで騒いだりはしなくなったが。
そんな二十代の頃がついこのあいだのように思える。

お疲れさま。また飲もう。

2010/09/17

学生時代
















#7 Custom Abutment  for Cement-Retain Restoration     Type Ⅲ Gold
3i CERTAIN UCLA Gold Hexed Abutment 4.1mm

たまに、『ブログ見てます!』とメールをいただいたりします。
本当に嬉しく思っております。ありがとうございます。

取り留めのない内容で不定期更新、
かなり偏った情報を発信させていただいております。
私自身がそういう偏った人間なのでしょう。全く共感できない方もいると思います。
文章で伝えられることには限界もありますし、
私もまだ未熟ゆえに誤解されるような表現も多いことと思います。
偉そうなことはあまり言えませんが、とりあえず目標の一年も残り数ヶ月。
相変わらずでいきますが、これからもよろしくお願い致します。

先日、日本の歯科技工学校の生徒さんからメールがありました。
アドバイスを頂けたらということです。感心させられます。
私は学生の頃そのように勤勉でもなく、どちらかというと何も考えていませんでした。
まともなアドバイスができるとは思えませんが、
せっかくなんで学生の頃の出来事も交えつつ、記事にさせていただきました。

学生時代どのような事を心がけていましたか?

私の場合、一年目を終える頃、ほぼ留年が決まっていました。
そんな学生時代に、心がけなんてものはありません。
実技はそんなに悪くはなかったのですが、問題は学科と生活態度。
当時の担任に教室の隅に呼ばれ、二年に上がるのは難しいことを告げられました。
執拗に懇願する私に出されたのは交換条件。無遅刻、無欠席、無早退。
そして、咬合器と模型は常にきれいに取り扱うこと。
『やれるなら、校長には俺からお願いしてやる。』と一言。男と男の約束。

二年時の一年間は、とにかくこれだけは頑張っていたような気がします。
やれてる人にしてみればたいしたことはないのでしょう。
しかし、私にとっては一年時の悪癖もありましたから、結構苦労したのを覚えています。
そして、何がどう功を奏したのか、少なくとも私の中で何かが変わったようです。
実習中の効率は上がり、期限に遅れることが少なくなりました。
成績も下から片手で数えられたのが、上から片手で数えられるまでになっていました。

2010/09/13

丸10年

















#14 PFM Crown     Creation CC

先日、9月10日は私が初めてアメリカの大地に降り立った日。

と、なんだか大げさに言ってみましたが、丸10年が経ちました。
意外にあっけなくその日は過ぎ、そして11年目に突入。

思い描いてた未来は今よりもっと良い状態だと疑いもしなかった。
アメリカから端を発したこの不景気。私にとっては全くの計算外でした。
医療関係は不景気にも影響されにくいと言われていますが、
最近はなんだか身近にも感じ、正直不安でもあります。

ちょうどその記念すべき日を迎えようしていた先週末、
ある女性のドクターが突然うちのラボを訪れてきた。
どこかで会ったことがあるらしいが、私はまったく覚えていない。
単冠のPFM2本のケースを持参し、このケースをお願いしたいとのことだった。
初めての取引きなので、いくつかの技術的な事を確認し合い、
また、デザインやマテリアルについても話をした。
一通り話を終え、彼女は聞いてきた。

『このケースいくらで出来る?簡単な見積もりが欲しい』と。

そして、徐にリストを見せられた。そこにはこの界隈にある日系歯科技工所の名が。
老舗のラボから有名なラボ、まだまだ順番に回る予定らしい。
要するに気に入らなければ次ぎに行くと言わんばかりの強気な交渉術。
彼女が日本人の歯科技工士をとても気に入っているのは話の流れでよく分かった。
今、取引している日系歯科技工所の名前もいくつか口に出していた。
オーナーは私の知り合いでもある。もちろん、技工料金については知らない。
うちのプライスリストをプリントし、彼女に手渡した。
しばらく眺め、何も言わず他所の歯科技工所のプライスリストを彼女はずらりと並べた。
6枚以上あっただろうか、上は$150前後から下は$60ドル前後まで。

『他所のアメリカのラボはどこもこんな感じよ。平均的だと思う。
日本人の技工士が他所より高いのは理解してる。ただ、知っているとは思うけど、
私たち歯科医院もビジネスは大変なの、いい値段を出してほしい。
このケースはあなたとのはじめてのケースになるのだから』と。

2010/09/04

昨日のこと。
いつもお世話になっているドクターから電話があった。

デリバリーされたクラウンについて、私が作ったのかと確認の電話だった。
もちろん私が作ったのだが、彼にはそう思えなかったらしい。
何がいつもと違うのか。強いて言うと透明感が足りなかったか... 。
いずれにしても、紛れもなく私が作ったものだ。
私自身、そんな電話がかかってくることに驚いていた。

週明けには戻ってくる。患者の口の中で試適されることも無く。
アポイントはキャンセルされたのだろう。申し訳ない。

電話のあと、そのケースのことが気になって仕方がなかった。
ドクターが言っていた。『うちにくる患者はいいものに高いお金を払っているんだ』と。
完全にそのものを否定された。

その言葉が、頭から離れない。
久しぶりに凹んだ。手を抜いたつもりはない。
自分でも気が付いていない、一体何が...。ただ、ここ最近忙しい。
何となくやるべき仕事が手に付かず、『季刊誌 ZERO』のバックナンバーを手に取った。

気が付いた気がした。すこしづつ軌道がずれてしまったのだ。
自分の目指すものから。憧れから。

よくうちのスタッフにも注意している。
始めのうちは言われた通りに出来ているのに、少しずつ変わっていく。
雑になるというか、見えていたところが減るというか。
人の上に立ち教える立場の人間は、指摘されることが少ない分、
意識して理想を追い求める必要がある。
日々の仕事に追われ、見えなくなっていたということか。
今回のことは、それを気付かさせてくれた。 厳しい言葉と共に。

一日あれば、頭を冷やすには十分だった。

ここで気付けたことも今の私に必要だったのだろう。
そして、たまたま目の前にあったZERO。
この週末、ラボにあるバックナンバーをすべて読み返してみよう。

2010/08/19

世界を相手に
















 #21, 30, 31 Full Gold Crown     Type Ⅲ Gold

インターネット上では中国や韓国、東南アジア諸国の歯科技工所が、
英語圏向けに広告を出しているのを目にする。

事際、アメリカでも中国製歯科技工物はかなり多い。
歯科医が直接ケースを送っている場合もあれば、
歯科技工所が下請けとして利用していることもある。
また、アメリカ国内大手の歯科技工所が中国に支店を作り、
大量に流している場合もある。いずれにせよ、最大の魅力はその値段にある。
圧倒的な数を誇る人口、1/10とも1/20とも言われている人件費。
この価格競争に太刀打ちできる国は今のところ見当たらない。

かつての日本製品、あるいは韓国製品がそうであったように、
中国製品もまたその質を上げてくることは間違いない。
それを消費者が求めるのなら、そう変化していくのが市場だ。
戦後の日本が、欧米諸国の製品に追いつけ、追い越せと。
いつしか日本製であることは認められ、その市場で優位に立ってきた。
たとえば、かつての日本車は性能や馬力、安全性で国際市場では太刀打ちできなかった。
今やアメリカのフリーウェイを走る多くの車は日本車だ。
そして、日本の企業をも凌ぎ質的向上を成し遂げてきたのが韓国。
携帯電話や液晶テレビ等の家電製品。世界中でそのシェアは増す一方だ。
最近の韓国車、こんな記事も目にする。

2010/08/15

終戦の日

特に英語を勉強したかったわけでもなく、海外での生活に憧れていたわけでもない。
アメリカでの歯科医療、最新の歯科技工に興味はあったが、それ以外は特に。
恥ずかしい話、ロサンゼルスがカリフォルニアにあることも知らなかったし、
「ナイストゥーミーチュー」と挨拶すらろくに出来ず、恥ずかしい思いもした。
そんな私がアメリカで10年近く生活をしている。
言葉の問題もそうだが、習慣や文化の違い。
食生活や医療制度、交通事情や治安など何かと気苦労は多い。
慣れ親しんだ日本の生活とはやはり違う。

歯科技工士としてはもちろんだが、
海外での生活は自分の生まれ育った日本という国を再認識させ、
違う角度から見つめさせる。長い歴史や固有の文化、伝統。
日本という国をあまりにも知らない自分に、改めて気付かされた。
海外で生活してみてよかったと思える、一つの理由だ。

日本に一時帰国の際には、立ち寄りたいと思っている場所がある。
靖国神社。落ち着いた時間が取れず、いまだ参拝することができずにいる。

ロサンゼルスはさまざまな国の人々が集まり、違った文化や思想に触れる機会も多い。
どこの国の人も例外なく母国を愛し自分のルーツに誇りを持っている。
差別や争いがないとは言えない異国の地でも、心の拠り所は確かにある。
愛国心という言葉に抵抗を感じる人も多い、しかし外に出たら分かる。
街を歩けばあちらこちらでアメリカの国旗を目にする。
国を愛するということはその国で生きる国民にとって当たり前の教育。
日本の街中が同じ数だけ日の丸で溢れていたら、異様な感じがするのだろう。
私たちが受けた敗戦国としての偏った教育だ。

2010/08/06

原爆

65年前の8月6日、世界で初めて広島に原爆が落とされた。

どこの国もいまだ経験したことのない悲惨な歴史が刻まれたこの日。

3日後の9日には、長崎にも。

どれだけの血と汗と涙が流れ、尊い命が奪われたことか。

かたや、二度と同じ過ちを繰り返してはいけないと叫び続け。
もう一方では先の大戦のみならず、その後も戦争を続けている。
自由と平和を掲げ、正義という名の下に。

何が善で、何が悪なのか。

平和記念式典に初めて国連事務総長や駐日アメリカ大使が出席した。
被害の痕跡も国民の意識も65年という月日が薄れさせ、
彼らの背負う何かも軽くなったということか ...。
アメリカ同様、初出席となった核保有国のイギリス、フランスの代表も含め、
過去最多の74カ国の代表が参列した今回の記念式典。
単なる平和のイベントとしての意味合いが強くなり、
10年後、20年後 ...100年目を迎えたとき、
その悲惨な事実が記憶の片隅に追いやられてはいないだろうか。
賛否両論、平和に向けての一歩に違いは無いのだが。

日本を離れ、原爆を投下したアメリカで生活をしている。
今日という日に両国の間にある温度差を感じずにはいられらない。

平和への願いを込めて。

2010/07/30

画像
















SONY S-Frame     Digital Photo Frame

Eメールで送られてきた画像はパソコンに保存し、フォトペーパーに印刷していた。
手元で見れ、指示書と整理できるので便利なのですが、微妙にモニターで見るのと違う。
ペーパーの種類やプリンターにもよるんでしょうが、結局モニターで再確認。
しかも様々な角度から10数枚、ドクターによっては50枚近く送ってきたりするので、
4、5枚ならともかく10枚以上は印刷するのはかなり面倒。時間もかかりますし。
後々、印刷してない画像も気になったりして...これまたモニターで再確認。

私物のノートパソコンを持って来ようか、新しく買おうか。
モニターだけの設置も考えたんですが、作業スペースにはやっぱり大きすぎる。

そんなんで、あれこれ考えているときに見つけたのがこれ。

10.2インチの液晶モニターは印刷する事を考えたら十分ですし、
容量も2GBあるので送られてきた画像は全て転送できます。
ノートパソコンだとキーボードの部分が邪魔なのと、
ポーセレンパウダーとか水を使うのでなんとなく気も使います。

という事でデジタルフォトフレームを使ってます。

写真しか見ないので安い買い物ではないんですが、
インク代やフォトペーパー代、印刷に要する手間暇、
指示書と一緒に写真をファイルするとそれなりにかさばってしまうので、
それらの事を踏まえ、とても気に入っています。

iPad も考えました、いろいろ出来ますし。
手に取ってみての感想は、タッチパネルは手脂がすぐ付くし見づらい。
いちいち操作の度に触らなきゃいけないと拭くのも面倒です。
その点、リモコン付きのフォトフレームは使い勝手がいい。

ちなみに使い始めてもうすぐ1年。インク代とフォトペーパー代は明らかに違います。
2年使えば元が取れてる計算です。いかがでしょう。

2010/07/23

感覚

 














#31 PFM Crown     CreationCC

以前、“感覚で決めるのもありなんだ” と記事にした事がある。
というのも、歯科技工の仕事は感覚に頼っている部分が非常に多い。
カンやコツみたいなものはまさにそれで、伝えるのが難しい。
普段から出来るだけ理由付けをし、ポイントや手順を確認する必要があると感じている。

一つ一つ順序立てて、すべてにそうである理由付けを。
感覚やその日その時の気分で二度と作れないような逸品ならあまり意味は無い。

それでも、どうしても感覚に頼っている部分が必ずある。
そのほとんどは許容範囲みたいなものがあって、あいまいだ。
だからこそ、押さえれるポイントや手順、考え方やそうである理由付けは、
普段から意識し確認しておく必要がある。

例えば海外旅行。
あれを持ってこれを持って、無くても良いけどあったら便利かな、とか。
忘れ物のないように何度も確認し、出発ギリギリでバタバタなんてよくあること。
着いてみたらあれだけ確認したのに忘れてきたことに気が付いたり。
重い荷物の中には、結局 一度も着なかった服や余計なものがあったりする。

行きなれた人なら必要最小限のものを手際よく用意し、ギリギリで慌てることも少ない。
現地で調達可能なものもある程度理解しているし、荷物は軽く無駄も少ない。
余裕のある時間の中、さらに充実した時間を過ごせるかもしれない。

2010/07/09

“始め”
















#3 PFM Crown     CreationCC

歯科技工士になって始めて手掛けた自費のケースは、
上顎第一大臼歯のPFMでした。今でも忘れません。
新米歯科技工士にとって自費のケースはある意味特別なものでしたし、
しかも、そのチャンスがもうじき丸一年ってところで巡ってきたのですから。
嬉しかった反面、学生実習以来の作業に不安もありました。
先輩から勧められた『ザ•メタルセラミックス』。訳けも分からず眺めていました。

院内ラボだったので立ち会いを行うことは可能だったのですが、
当時の私は臆病風に吹かれ、またとないチャンスを生かし切れませんでした。
あとからドクターから色が合っていなかったとのご指摘を受けましたが、
奥歯だしあまり目立たないからということで、患者さんは納得してくれたようです。

次に手がけたのが上顎犬歯のPFM。これは悲しいほど合っていなかったです。
緊張しながら挑んだ立ち会い。ショックでした。見事に合ってません。
患者さんの前では否定的な言葉を口にしてはならないことを、
ドクターから聞いていましたからその場はクールに装いましたが、
明らかに違和感のあるその口元に、顔は引きつっていたと思います。
もちろん私たち歯科技工士から、やり直させてくれとはなかなか言えません。
ステインをしてなんとなくまとまりましたが、透明感はでませんでした。
こうして忘れられない立ち会いデビューは初めての自費のケースから半年後。

2度の失敗を重ね挑んだ3回目はすぐに訪れました。下顎第一大臼歯のPFM。

2010/07/05

無知
















 #3,4 PFM Implant Crowns   
Straumann Custom Abutment (left:WN / right: RN synOcta Gold Abutment)
Creation CC

先日、はじめて知ったことがある。
始めは信じられず、いろいろと調べてしまった。悔しいけど間違いないようだ。

専門学校で習ったような。いや、それより以前。職業案内ガイドか...。
いずれにしても、この仕事を始めた頃にはすっかりそう思い込んでいた。
それが自分にとっての誇りでもあった訳だし、なんだか放り出されたような気がした。

「歯科技工士は医療従事者ではない」

私の中でいまだ違和感を感じるこの言葉。
いろいろ調べている中で、わかりやすくまとめているブログがあった。
これによると日本の歯科技工業は医療に附帯するサービス業であり、
税金申告の際は製造業に認定されているらしい。
患者と接することのない歯科技工士を医療従事者と認めてはいないようだ。
要するに一部の人間にとっては認めたくない背景がそこにはある。

何を今更、と思う人も少なくはないだろう。
ただ、私自身が思い込み、無知であったということ。

個人の価値観など無知という言葉の前では何の意味もない。

2010/06/19

右に行くのか 左に行くのか

今まで幾度となく岐路に立たされてきた。
そして、その度に選択を迫られ、何かしらの決断をする。
自ら決断できればまだしも、悩んでいるといつの間にか見えなくなる岐路もあった。
良いのか悪いのか、自分の思いとは裏腹に勝手に前へと進んでしまう事も。

思えば高2の頃、私も一応予備校には通っていた。とは言っても大学に行く気はない。
親には申し訳ないが自習室で論文の勉強だと決め込み、
ふだん読み慣れない小説なんかを、ちまちま読んで時間を潰していた。
当時流行っていたシドニー・シェルダン。内容など覚えてもいない。
漫画じゃないだけいいようなもんで、なんの勉強になっていたのか。
とにかく、これといってやりたい事も見つからないし、自分に出来る事もわからない。
グルグルとさまよい、なんとなく時間だけが過ぎる。ただその時だけを見て。
あの頃を無駄だとは言わないが、もったいない時間の過ごし方をしていたと思う。

歯科技工士という仕事を知り、おそらく人生で最大の選択をした。

専門学校で学び、社会人として働いた。働きながら研修コースに参加もし、
留学することを決め学生に戻った。自分を試したくてアメリカで就職した。
そして開業。自分のやりたいことがここなら形になるような気がした。
少なくとも当時の日本よりは理想へ。そして、今はまだその途中。
乗り越えられない壁にぶつかり、上手くいかないこともあった。
自らが分かっていないという事さえも分からない。未熟故、そして今も。

2010/06/12

審美歯科治療
















#9 Pressable Ceramic Crown   CreationLF with CreationCP Coping

審美歯科治療において患者の思いを歯科医師はどこまで汲み取り、
また、歯科技工士にどこまで伝えきれているのだろうか。

たとえば初めての美容院に行き、気に入った髪形にしてもらえる事は少ない。
前髪の長さ一つにしても気に入らない事が多いのは、私だけだろうか。
どんなに口で説明し身振り手振り、あるいは写真などの切抜きを見せたところで、
気にいらない経験をしたことのある人も少なくはないだろう。
コミュニケーションというものは、そもそも難しいものだ。
美容師の技術的な問題もあるが、自分の思いを相手に伝えるのは非常に難しいし、
相手の気持ちを汲み取る事もまた非常に難しい。

さらに言えば、
異国の地でその国の言葉を上手く話せない人が通訳を伴って美容院に行くとする。
気に入った髪形にしてもらうにはおそらく相当苦労する。その難しさは容易に想像が付く。

歯科治療の事をあまり知らない患者を異国でその国の言葉を話せない人としたなら、
歯科医師がその思いを代弁する通訳で、歯科技工士は求められるものを提供する美容師。
さて、作られた技工物は本当に患者の望んでいたものなのだろうか...疑問だ。
色調あるいは形態にしても、患者のこだわりが強ければ強いほど、
求める側と作る側とで十分なコミュニケーションが必要になる。
しかし、患者と歯科技工士との間で直接やり取りが行われることは少ない。

患者が望む審美的回復がどこまでのものなのか、
どのような処置が可能で、また患者の要求を満足させるための施術。
そして歯科技工物に至るまで現場のトップである歯科医師に委ねられているのが現状だ。

そして、通訳はこう言うかも知れない。異国の地で嘆いているその人に、
 『あなたの言っていることを私はすべて正確に伝えた、
  望む髪型に出来ないのは美容師の技術的な問題。他所へ行きましょう 』 と。

歯科治療における歯科医師と歯科技工士の間にある構造的な問題は、
治療を行う人間と歯科技工物を提供する人間が違うところにある。
そして、そこには絶対的な上下関係が横たわっているのも事実だ。

2010/06/09

未経験者
















Model Work for Single Crown

実は、もう辞めてしまったスタッフの作った模型。
出産を期にうちを去ることになった彼女の仕事を、カメラをいじりついでに撮ったもの。
それぞれ違う患者のケース。咬合平面の取り方や台付け、分割、マウントに至るまで、
彼女なりに、とても気を使っていてくれたことが分かる。
忙しい日々の中、丁寧な仕事を心がけてくれていたことに、

今更ながら感謝している。

歯科技工士免許はもちろん、どこかの歯科技工学校を出たわけでもない。
うちに来たときは歯科技工の事なんかまったく知らない未経験者。見習いから...
歯科技工士になりたいという熱い思いは、彼女の作業一つ一つに表れていた。
ワックスアップをし、メタルをキャスト。調整を終えてオペーク、ポーセレンマージンまで。
一通りの流れで任せる事ができた。数はこなせなかったけれど、どれも丁寧に。
おそらく、もう少し時間があれば、ある程度数もこなせるようになってはいただろうし、
単冠ぐらいは任せる事ができるようになっていたかもしれない。

彼女がうちにいた期間は、たったの10ヵ月しかなかったのだから。

この春から、新しいスタッフが増えた。皆、歯科技工未経験者だ。
だから、模型作り一つにしてもどうにも上手くいかないことがある。
そして、どうしたらこんな風に作れるのかと画像を見て盛り上がっていた。

できるようになる。初めは誰にでもあるのだから。

歯科技工免許を持っていても、模型すらまともに作れない歯科技工士がいる。
中国などからの海外歯科技工物が問題視される中、
歯科技工物のあり方、歯科技工士のあり方が問われている。

日々の仕事に追われ惰性で過ごす毎日。
やりがいを見失い、努力する事を忘れ、分かった気になって見切りをつける。
そんな歯科技工士の作り出す歯科技工物が、
無資格者の作るそれよりも優っていると、誰が言い切れるのだろうか。

2010/05/31

アップル

とうとう日本でも発売されたiPad。
何かと話題になっているようですが、その使い道には疑問も。
そもそもモバイルなら携帯やノートパソコンでも十分だと思っているし、
サイズ的にも中途半端な気がして...。

あまりに騒がしいので、“百聞は一見に如かず”。

先週末、近くのアップルストアへ行ってきました。まず、液晶の美しさに驚いた。
実際に手に取ると、中途半端かなと思えたサイズは絶妙。
サクサク動くし感度もいい。操作性には感動すらしてしまった。
欲しい...。

おそらくもう少し待ったら、カメラ内蔵になるのでは。
あのアップルですから、それぐらいは考えていそうで...待ってみようかな。

関連記事を調べているうちに最近、
「株式時価総額で、アップルがマイクロソフトを超えた。」なんて記事を目にした。
このところのアップルの快進撃は、この人なしでは語れない。

スティーブ・ジョブス。あまりにも有名なので今更なのですが。
アップルの創業者ですね。最近のGoogleやAdobeとの対立も気にはなりますが。
好きも嫌いもはっきりしていて、どこか人間味を感じてしまう。
おそらく、そんな人だから常に前を走り続けることが出来るのだろう。

変化への期待と未知への好奇心は、人を常に新しいものへと駆り立てる。

2010/05/22

凌ぐ
















#7,8,9,10 Diagnostic Wax Up for Laminate Veneer

あるドクターは診断用のワックスアップから、私に手掛けさせてくれます。
そのワックスアップをもとに支台歯形成を行い、
プロビジョナルレストレーションをドクター自ら製作します。

患者の口の中で一定期間使用されるプロビジョナルレストレーションは、
ある程度の強度と審美性、また生体に調和したもので無ければなりません。
彼らは見事にそれらを再現し、参考用模型を作り、私に提供してくれます。
おそらく、チェアサイドで手間暇かけたであろうそのプロビジョナルは、
歯科技工士にとって重要なインフォメーションを与えてくれる。

また患者にとっても、理想的な形態を実際に口の中で再現しているため、
最終的な外形をイメージしやすく、結果的に患者からの満足も得られやすい。

うちではワックスアップ1歯あたり$35請求させていただいている。
単純に時間だけではなく、その作業の重要性または技術料を考慮し理解を頂いている。
患者にも歯科医師にも、そして、私たち歯科技工士にも最終的なゴールを定める事は、
審美歯科治療を成功させる上でとても重要な事だ。

図面や打ち合わせ無しで建てられた家が、
その家主の満足を満たすものであるはずが無い。
また長い間、安心して住み続けることのできる家であるはずも無い。
いきなり柱を打ち込む大工に、大切な家を任せる家主はいないだろう。

いきなり歯を削る歯科医師に、大切な歯を任せる患者は...

2010/05/12

課題











  





USC ( University of  Southern California )

先週末、USC ( 南カリフォルニア大学 ) に行ってきた。
目的は、桑田正博先生の講義を受講するため。

桑田先生に初めてお会いしたのが2000年の4月。
クワタカレッジでのコースに参加させていただいたのがきっかけ。
アメリカ行きを決めていた当時、とはいえポーセレンの経験がまだまだ十分とは言えず、
PFM(金属焼付ポーセレン)を、あの桑田先生から学べるというまたとない機会、
ぜひ参加したいと思い、慌てて申し込んだのを覚えています。

私にとって桑田先生は書物の中の人。とても遠い存在の人でしたから、
「海外での生活は素晴らしい経験になるはずだよ、頑張って!」と、
優しく声をかけて下さったこと、とても嬉しかったです。

今回もそうですが、先生からは沢山の事を教わりました。
技術や知識はもちろんなのですが、医療に携わる者としての理念や哲学。
歯科技工士として、一人の人間として、志とその情熱を絶やすことなく努力する大切さ。
限られた時間ではありましたが、 今回も改めて考えさせられました。

当時の自分、そして今。時間の流れと共に、置かれている状況もだいぶ変わりました。
今の自分だから理解できる事もあるし、また見えていなかった新しい気付きもある。
何年たっても、いくつになってもこのような機会には出来るだけ参加したいと思いました。
今、この瞬間の自分にとって必要なことが見えてくるような気がするからです。

一つ心残りなのは...

「その節は大変お世話になりました、またお会いできる日を楽しみにしております。」

お忙しいところご挨拶させていただいたのに、この一行が言えてなかったです。

10年経っても相変わらずな私。次回、お会いする日までの課題です。

2010/05/05

答え
















#15 PFM Crown   Creation CC

人は離乳食を口にする頃から乳歯が生え始め、6歳頃から永久歯に生え変わる。
ぞれぞれ違った歯の形、色、並びを持ち、外見同様それぞれの個性が現れる。
永久歯は基本的に生え変わることがないため、何らかの原因で失った永久歯は、
歯科技工士が作る人工物によって、その機能を回復する必要がある。

世界的に有名な歯科技工士が作り出す人工物は、限りなく本物に近い偽物。

そこにあったであろう天然歯のみが記録していた情報を、
あらゆる角度から考察し模造する。一つ一つ丁寧にカスタムメイドで作り出す。
それぞれに違う天然歯の持つ個性、高い技術力を持ってそれに挑む。
しかし、それも想像の域を超える事はできない。

究極に追い求めても完璧ではなく、その究極が答えでもない。

歯科技工士が100人いれば100通りの被せ物が出来る。
それは経験や技術、志や価値観によって大きく違ってくる。
どこかの歯科技工士が、どんな材料を使い、どんな知識と技術で作ろうが、
それが仮に歯科技工士免許を持たない者が作った歯科技工物であったとしても、
必ずしも間違いではない。

ただ一つ、間違いがあるとするなら、

作り出された人工物によって、
何らかの疾患を発症する原因を作ってしまう可能性がある場合だ。
口の中で機能する人工物は安全であり続ける必要がある。
日本では昔から、知識と技術を持つ者だけが歯科技工を業とすることが認められてきた。
それは長い間、日本国民にとってかけがえない安心感を与えてきた。

一部の心無い人間によって脅かされるのなら、その責任は重い。

患者が心から喜んでくれ、またその歯科医院に足を運ぶ。
一人の患者を何十年にもわたり診続ける、安心して通い続けられる歯科医院。
安心という価値観には永続性がある。

一つの答えなのかもしれない。

2010/04/24

言うは易し 行うは難し
















窓辺に置いてある蘭の花が見頃を迎えた。
蕾が開花し始めたちょうど3ヶ月程前、この “BDA Gallery” も始めた。
とりあえず一年。“言うは易し 行うは難し” まだまだです。

ブログを始める前、[ 歯科技工士 ブログ ]で検索したことがある。
思ってたより沢山の歯科技工士の方々が、ブログを立ち上げていた。
その目的は分からないが、記事の内容や文面に個性が出ていて面白い。
そのとき見つけたブログのいくつかは、今でもちょこちょこお邪魔させてもらっている。

そのうちの一つが スマイルデザイン さん のブログ。

日課のようにチェックしていたある日、
スマイルデザインさんのブログで、うちの記事に対する記事が投稿された。
ここから来てくれた人が殆どだと思うので今更なのですが、ご紹介です。
日々更新されるストレートでわかりやすい記事、世界中からの歯科に関する情報、
ハイクオリティーな写真の数々に、ただただ脱帽です。
歯科技工士以外の方で訪れている人も多いのではないでしょうか。
スマイルデザインさん、これからも宜しくお願いします。

そして、いい機会なので自分の記事も振り返ってみました。

2010/04/12

納期
















#11 PFM Crown   Creation CC

歯科技工士の仕事は、歯科医師からの指示のもと差し歯や入れ歯を作るわけですが、
必ず納品期日というものがあります。それは技工指示書に記されており、
その日までに必ず歯科医院に戻さなければなりません。
患者のアポイントまでに歯科医師自らが仕上がってきたものを確認する時間、
場合によっては調整する時間が必要になってくるからです。

日々、取引している歯科医師の方々から預かるケースに関して、
歯科技工士の方でその量をコントロールすることは出来ません。
ある程度の日数を頂き、その中で仕事を回せるようにスケジュールを立てます。
時期的なものなのか、偶然なのか、仕事が集中することもあり、
納期までの時間が短ければ、断るか、手を抜くか、プライベートの時間を削るか。
当然断ったり、手を抜けば、次の仕事は無くなるでしょうから、
ドクターとの信頼、患者のことを思い、遅くまで働くことが多いのが歯科技工士です。

うちでお付き合いただいているドクターの中に、
納品期日を指定してこないドクターがいます。

はじめは違ったのですが、うちが小さなラボだということ。
全てのケースを私自信が責任もって手掛けている事を伝えてからは、
『 納期については電話で 』 ただこれだけがいつも記されています。

私たちの手元にケースが届いてから、どのような症例で何日ぐらい必要かを確認し、
その後、他のドクターのケースとのスケジュールを調整します。

3、4日すると彼のオフィスの方から納期確認の電話があります。
通常は2週間から3週間。忙しい時期はかなり言い辛いのですが『 4週間... 』
それでもいつも快く了解してくれます。
日々納期に追われている歯科技工士にとってはありがたい話です。

2010/04/01

桜咲く

















Balboa Park in Encino, California

今日から4月。
気持ちばかりが焦っていて、思いが形にならない。

まだ3ヶ月、もう3ヶ月。

まわりの大人たちが口々に言っていた。年を取る毎に時間は短くなると。
若い頃はその言葉の意味が理解できなかった。時間は全ての人に平等なはずだ。
30を過ぎた辺りからその意味がなんとなく分かった。そして焦りに変わった。
年を取る毎に...これからますますそのスピードは加速するということか。
今ならまだできる。無理が利く今しかやれないことが。

新入生や、新入社員が新しい場所で、新しい生活を始めるこの時期。
桜の花が咲き、優しい日差しで溢れ、春の訪れは彩を添える。

生きていくためにこの道を選んだのは18の時。正直、迷いもあった。不安もあった。
慣れないスーツ姿で入学式を迎えた。歯科技工士として生きるために。
外には桜の花が咲き乱れていた。これからの未来を応援してくれているかのように。

あれから...

私の通っていた東京歯科技工専門学校は先月、37期生を送り出し閉校した。
非常に寂しいことだが、歯科技工業界の展望は厳しいという認識が一般的のようだ。
収入や労働条件の悪さ、歯科医師と歯科技工士の間には構造的な問題点も多い。
人としての尊厳を保つことすら難しい職業に、若い人たちは見向きもしない。

2010/03/27

門出
















Disks & Burs for Handpiece

高校を卒業してから、歩み始めたこの道。
あの頃描いた将来の自分に、少しは近づけているのだろうか。

歯科技工士になろう。

大学進学は早くから諦めていた。自分の事は自分が一番わかっていた。
目的も無いのに大学を目指す意味がわからなかった。
学年でも指折りの成績の悪さ、どこかで妬んでいたのかもしれない。

手に職をつける道を選んだ。

手先が特別器用だったわけではない。ただ、絵を書く事は昔から好きだった。
好きな絵を書いていると時間が経つのを忘れた。夢中になれた。
そして歯科技工をしている時も、それに近い。

好きかと言われれば違う。でも嫌いじゃない。

社会に出ると、教わった事の多くは国家試験合格のために必要な事だと分かった。
もちろん知っておく必要はある。しかし、それ以上に現場で学ぶ事の方が多かった。
何度も失敗を繰り返し、叱られ、凹み、悩み、不安になる。
自分だけならまだしも先輩やドクター、患者にまで迷惑をかけてしまう。
プレッシャーは焦りを生み、負の連鎖からなかなか抜け出せない。

誰にでも初めはある。この言葉に何度も救われた。

2010/03/22

練習
















#30 Full Contour Wax Up

ドクターからの指示でワックスアップをする事がある。
診断や説明用であったりテンポラリー作成に使われる。
どこのモールドを使っているのかドクターに聞かれることがあるが、
うちではモールドは使わないようにしている事を告げる。
練習はいつも必要なんだと、一言添えて。

最近のモールドは気の効いたものや、形態がかっこいいものもある。
利用すれば早くてかっこいいものが作れるのだろうけど、そこに疑問もある。
ワックスを盛り上げるテクニックや削り込む微妙なタッチは、

練習以外に上達の道はない。

かっこいい形態だろうが、解剖学的形態だろうが、
その患者の残された歯牙、歯列の特徴に合っていないと、かっこ悪いこともある。
周りの歯が磨り減って平らになっているのに、隆々の咬合面はおかしいし、
機能的に抜ける溝は、かっこよく作られたモールドでは結局手を加える事になる。

ただ、フルマウスのケースでは利用しやすいだろう。
おそらくかっこよくまとまるし、ある程度まで盛り上げる手間が省ける。
でもそんなケースだからこそ私は、ちまちまワックスを盛る。
自分の頭の中にある理想の形態を実際に形にするのはやはり難しい。
おそらくびっくりするほど時間をかけている。かけれるだけかける。
自分にとっての鍛練の時間なのだ。

たとえば、別々の人が書いた同じ文字。そして、りんごの絵。
どちらが上手だと思いますか?と聞かれれば、どちらかを選ぶ。
基準は頭の中の理想像。どこがどうなのか比べ判断する。
その理想像があるのに実際自分で書いてみると、上手くは書けないものだ。
書き方練習帳を使ったり、また何度もりんごの絵を書く反復練習を繰り返す。
場合によっては指が痛くなるまで、理想に忠実に。何度も何度も。
すると頭の中の理想像がより明確になり、
指先の神経、筋肉が鍛え上げられ上達する。

私は少なくとも努力なしでは上達できない。練習はいつも必要なんだ。

2010/03/18

朝型夜型

今週、月曜、火曜と朝3時起き。睡眠時間は3時間弱。
水曜日は朝4時起き。睡眠時間は4時間少々、午後から頭痛。
そして今日は朝6時半起き。 元気です。
夏時間が始まった今週は時間が1時間早まったので、いままでの2時、3時、5時半。
予定が狂うのは歯科技工士には良くあること。ドライブどころではないな。

夜型の頃は夜中の1時、2時...なんとか終わらせて帰る。
帰ってシャワー浴びて着替えて出勤。そんな事もあった。
でも寝ないとダメだ。かえって効率が悪い。その事に気が付いた。
夜9時ぐらいだとまだまだ先があるような気がして、
結果的にだらだらしてしまう時間が多かった。
なんとなく無駄が多い。やれるはずの事がやれていない。

そして朝型に切り替えた。
静まり返った街、人気のないオフィス、空気が違う。
だんだんと夜が明けてくる感じがけっこう好きだ。

朝型になってからは時間的に厳しくても思い切って帰る。
そして寝る。その代わり早く起きる。
起きるのが辛いのは、早く起きようが遅く起きようが一緒だ。
今起きなきゃ間に合わないとわかっているから起きられる。緊張感が違う。
最低3時間寝れれば、なんとか一日もつ。
しかも締めがその日だったりすると集中力も違う。

とりあえず毎朝5時起きを習慣付けたい。明日からまた。

2010/03/12

夏時間

















 Santa Monica, CALIFORNIA

週末、日曜日から夏時間が始まる。
時計を1時間早めるので、朝起きる時間がその分早まる。
時間が変わってからの2、3日は起きるのがつらい。

そしてこの習慣、かなりめんどくさい。
家中のいたるところに時計はあったりする。
テレビ、ビデオ、DVDプレーヤー、コンポ、カメラ、レンジ、FAX、
目覚まし時計、掛け時計、腕時計、目に付くだけでも結構ある。
それを一つ一つ1時間づつずらす。
携帯電話やパソコンは勝手に変わってくれるからまだしも、
こんなことを年に二回、国民総出でやっている。

忘れがちなのが車。
気付いたときに限って運転中だったりすると、後で...。
ところが降りるころにはすっかり忘れている。
また気付いたときには運転中...なんて事もよくある。
なので、車の時計はしばらくおかしい。

仕事が終わって帰る頃、
今まで暗かった空が明るいと、なんだか得した気分になる。
西の空はだんだんと茜色に染まり、ビルの窓ガラスが夕日を映し込む。
西海岸の夕焼けは最高だ。

ここはそんな夕日が見える、大好きな場所の一つだ。
そして沈みゆく夕日を見ていると、なんだか切なくもなってくる。

週明け、ちょっとドライブして帰ろうかな。時計を合わせてから...。

2010/03/02

職人

身につけた技術によって物を作り出す仕事をする人を職人という。

たとえば寿司職人と聞いて、
機械で握られた舎利の上にネタを乗せるだけの人を思い描く人は少ないだろう。
頑固なオヤジ、新鮮なネタ、衛生的な板場、でっかい湯呑み。
照明や細かな装飾にもこだわりを感じる店内。
そして握られた寿司を口にした時、至福の喜び与えてくれるのが彼ら寿司職人。
私の中ではそんなイメージだ。

ただこれはあくまでも私のイメージで、寿司職人は沢山いる。
ここアメリカでは1年も経験を積めば寿司シェフとして勤める事ができたりする。
だからいろんな国の人が寿司シェフとして働いている。
日本で通用するかは別として...。

私の中では、どこでも通用するから職人なのだと思っている。

身につけた技術がその地域の人々の求めるものによって変化し形を変えたとしても、
そこに変わる事の無いこだわりや技が生きる。

美味しい舎利を握ることが難しい事ぐらい日本人なら誰でも容易に想像ができる。
その舎利を握れるだけでは自分の店を持つことはできないし、寿司職人ではない。
上に乗せるネタとのバランスを知り尽くしての舎利で、
美味しい舎利だけでは寿司としての価値を与えた事にはならない。
たとえばネタにマグロを選び、仕込みを覚え、美味しい舎利を握る。
マグロを吟味し舎利とのバランスを知り尽くすことができたなら、
たとえ一品でも寿司職人に違いない。
そしてその一品は人々に感動を与える事ができるかも知れない。

2010/02/24

理想
















VITA VITAPAN Classical Shade Guide

留学中、慣れないポーセレンワークに色が出せず、
焼いては剥がし、焼いては剥がし.....
ポーセレンを7回盛り直した記憶があります。
それは、自分の中で納得できなかったから。時間の許す限り。
結局、口の中でもいまいちだったんですけどね...。

今ではさすがになくなりましたが、口の中で合わない事はあります。
難しいです、色を合わせるのは。

いいんです、失敗は成功への近道なのですから。

ただ遠回りになってしまうのが、
これで良いと思い込んでしまう事。
理想を追い求めず、言い訳が先行してしまいます。

あるハンズオンのコースを、
若い技工士さんたちと共に受講した事があります。
インストラクターの方が丁寧にデモンストレーションを行ってくれました。
受講生達はそれを食い入るように見つめ、質問をします。
いざ自分がやってみるとインストラクターの方が簡単そうにやっている事が、
いかに難しいか気付かされます。そして自分の出来にがっかりもします。

2010/02/19

今年3月、母校である歯科技工専門学校が閉校する。
自然な流れと言えばそうなのかもしれない。
ただ、卒業生としては寂しい。

どこの歯科技工学校も定員確保が難しい状況のようだ。
20代の離職率が75%を超える仕事。
国が認めた有資格者でありながら、辞めていく歯科技工士が後を立たない。
他にこのような仕事があるのだろうか。
現実を知った若い人は歯科技工士になりたいとは思わないだろう。

給料がいい。
将来性がある。
やりがいがある。
社会に認められている。
...

将来を見据え、さまざまな理由で進路を選ぶ。
個人が何を求めるのか。どう生きたいのか。
結局は価値観なんだろうけど、どの道も険しいはず。

2010/02/13

不思議
















#13 PFM Implant Crown  
Straumann RN Solid Abutment
Creation CC

アメリカに来て、今年で10年目。
きっかけは、ポーセレンとインプラントの勉強が目的の留学。
1年の予定で始まったLAでの生活は今も続いている。
この仕事を始めた頃、こうなることを想像できただろうか。不思議だ。

日本国内で歯科技工を行うためには国家資格が必要だ。
それは、歯科技工士法で定められている。

しかし、世界的には非常に珍しい。

2010/02/01

感覚

















NIKON D80
105mmVR Macro Lens
R1 Speedlight

初めての一眼レフ。
当時、CanonにするかNikonにするかで悩みました。
周りは比較的Canonが多かったと思います。

調べれば調べるほど悩んでしまい、 
最終的には手に取ってシックリきた方を選びました。
結局、感覚に頼った訳です。
ただ、こういう事って大事かなと思っています。

何より、気に入ってますし。

こうだからこうという確かな理由付けも必要なんだけど、
理由は無いんだけどこれっていう価値観もアリなんだなと。

2010/01/27

可能性を予知














  
#7 Custom Abutment with Metal Coping
Nobel Biocare GoldAdapt Engaging NobelReplace RP

インプラントのカスタムアバットメントで特に気を使っているのは、
マージンラインの設定位置です。

以前、ビバリーヒルズのドクターとの仕事で、
マージンラインが歯肉縁ギリギリに見えてしまうトラブルがありました。

ビスクトライの時は何も言ってなかったので、その後歯肉が下がったのでしょうか。
マージンラインの設定位置を更に0.5mm深くし(これ以上は無理だった)、
クラウンをやり直す事にしました。

そもそも全周1.0mm歯肉縁下に設定という指示のもと、
模型上ではそのように調整したにもかかわらず、問題は起きました。

ドクターにはそのことを伝え、再調整分とリメイクしたクラウンの分を
請求させていただきました。その後...

2010/01/20

初心忘れるべからず
















あまり難しく考えず、
続けていくことを目標に “BDA Gallery” 始めてみます。
実は英語版はもう始まっています、昨年から。
興味がある方はどうぞ。ここ

開業祝いに憧れの人から頂いた蘭です。
毎年綺麗な花を咲かせてくれます。

『初心忘れるべからず...』 

そう言われているようで、なんだか頭が下がります。
先日、5度目の開花。あの頃よりは前に進めているのでしょうか?

偉そうな事は何も言えませんが、
日々思うことを思うがまま綴ってみたいと思います。

ブログを始めたきっかけは、3つ...