2010/02/24

理想
















VITA VITAPAN Classical Shade Guide

留学中、慣れないポーセレンワークに色が出せず、
焼いては剥がし、焼いては剥がし.....
ポーセレンを7回盛り直した記憶があります。
それは、自分の中で納得できなかったから。時間の許す限り。
結局、口の中でもいまいちだったんですけどね...。

今ではさすがになくなりましたが、口の中で合わない事はあります。
難しいです、色を合わせるのは。

いいんです、失敗は成功への近道なのですから。

ただ遠回りになってしまうのが、
これで良いと思い込んでしまう事。
理想を追い求めず、言い訳が先行してしまいます。

あるハンズオンのコースを、
若い技工士さんたちと共に受講した事があります。
インストラクターの方が丁寧にデモンストレーションを行ってくれました。
受講生達はそれを食い入るように見つめ、質問をします。
いざ自分がやってみるとインストラクターの方が簡単そうにやっている事が、
いかに難しいか気付かされます。そして自分の出来にがっかりもします。


素晴らしいインストラクターの方が目の前にいるのに、
自分の実習物を事々に見せに行く人は殆どいません。
見てもらい、どうしたら上手くいくのか聞く。
自分の中で納得できないところ、或いはそれ以上をご指摘頂けました。
見えてないことがあるんです。それに気付かされるんです。

自分の中だけで納得してしまうのでしょうか。
それで良いと思い込んでしまうのでしょうか。
指摘されるのが嫌なのか、恥ずかしいのか...。

何が違うのか今度は別の角度からインストラクターの細かいところも観察します。
とにかく見て、真似ます。姿勢、指先、動作、すべて。

いまだに自分が作るクラウンを自信を持って送り出せた事はありません。
常にベストは尽くしている。でもこれでいいとは思えないし、思わないようにしています。
いつか自信を持てる日が来るのだろうか。求め続けていく理想の先に。

だから面白いんだと思ってもいます。続けてこれたんだと。

人に意見を求める事ができるうちは、沢山ご指摘いただきましょう。
それが若い人、経験が浅い人の特権なのですから。

ただ、同じ事は何度も言われないように...。