2010/03/22
練習
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Wax Up
ドクターからの指示でワックスアップをする事がある。
診断や説明用であったりテンポラリー作成に使われる。
どこのモールドを使っているのかドクターに聞かれることがあるが、
うちではモールドは使わないようにしている事を告げる。
練習はいつも必要なんだと、一言添えて。
最近のモールドは気の効いたものや、形態がかっこいいものもある。
利用すれば早くてかっこいいものが作れるのだろうけど、そこに疑問もある。
ワックスを盛り上げるテクニックや削り込む微妙なタッチは、
練習以外に上達の道はない。
かっこいい形態だろうが、解剖学的形態だろうが、
その患者の残された歯牙、歯列の特徴に合っていないと、かっこ悪いこともある。
周りの歯が磨り減って平らになっているのに、隆々の咬合面はおかしいし、
機能的に抜ける溝は、かっこよく作られたモールドでは結局手を加える事になる。
ただ、フルマウスのケースでは利用しやすいだろう。
おそらくかっこよくまとまるし、ある程度まで盛り上げる手間が省ける。
でもそんなケースだからこそ私は、ちまちまワックスを盛る。
自分の頭の中にある理想の形態を実際に形にするのはやはり難しい。
おそらくびっくりするほど時間をかけている。かけれるだけかける。
自分にとっての鍛練の時間なのだ。
たとえば、別々の人が書いた同じ文字。そして、りんごの絵。
どちらが上手だと思いますか?と聞かれれば、どちらかを選ぶ。
基準は頭の中の理想像。どこがどうなのか比べ判断する。
その理想像があるのに実際自分で書いてみると、上手くは書けないものだ。
書き方練習帳を使ったり、また何度もりんごの絵を書く反復練習を繰り返す。
場合によっては指が痛くなるまで、理想に忠実に。何度も何度も。
すると頭の中の理想像がより明確になり、
指先の神経、筋肉が鍛え上げられ上達する。
私は少なくとも努力なしでは上達できない。練習はいつも必要なんだ。