2010/09/17

学生時代
















#7 Custom Abutment  for Cement-Retain Restoration     Type Ⅲ Gold
3i CERTAIN UCLA Gold Hexed Abutment 4.1mm

たまに、『ブログ見てます!』とメールをいただいたりします。
本当に嬉しく思っております。ありがとうございます。

取り留めのない内容で不定期更新、
かなり偏った情報を発信させていただいております。
私自身がそういう偏った人間なのでしょう。全く共感できない方もいると思います。
文章で伝えられることには限界もありますし、
私もまだ未熟ゆえに誤解されるような表現も多いことと思います。
偉そうなことはあまり言えませんが、とりあえず目標の一年も残り数ヶ月。
相変わらずでいきますが、これからもよろしくお願い致します。

先日、日本の歯科技工学校の生徒さんからメールがありました。
アドバイスを頂けたらということです。感心させられます。
私は学生の頃そのように勤勉でもなく、どちらかというと何も考えていませんでした。
まともなアドバイスができるとは思えませんが、
せっかくなんで学生の頃の出来事も交えつつ、記事にさせていただきました。

学生時代どのような事を心がけていましたか?

私の場合、一年目を終える頃、ほぼ留年が決まっていました。
そんな学生時代に、心がけなんてものはありません。
実技はそんなに悪くはなかったのですが、問題は学科と生活態度。
当時の担任に教室の隅に呼ばれ、二年に上がるのは難しいことを告げられました。
執拗に懇願する私に出されたのは交換条件。無遅刻、無欠席、無早退。
そして、咬合器と模型は常にきれいに取り扱うこと。
『やれるなら、校長には俺からお願いしてやる。』と一言。男と男の約束。

二年時の一年間は、とにかくこれだけは頑張っていたような気がします。
やれてる人にしてみればたいしたことはないのでしょう。
しかし、私にとっては一年時の悪癖もありましたから、結構苦労したのを覚えています。
そして、何がどう功を奏したのか、少なくとも私の中で何かが変わったようです。
実習中の効率は上がり、期限に遅れることが少なくなりました。
成績も下から片手で数えられたのが、上から片手で数えられるまでになっていました。

今でも当時の担任の先生には感謝をしています。
歳も近く趣味も合ったので、なんとなく話しやすかった担任は、
ノリで条件を出してきたようにも思えます。期待はしていなかったかもしれません。
ただ当時の私は、借りができたように思っていました。だから、約束を守り通せた訳で。
心がけていたと言えばそうなのでしょうが、やらされてた感は否めません。

学生時代にこれをやっておけば少しは違うということはありますか?

今思えば、英語です。アメリカで生活することになりましたから。
ただ、こうなることが分かっていたのなら中国語。
技工に関してはないです、どちらかというと卒後で十分な気がします。
まず国家試験に受かるための努力だけをすればいいのではないでしょうか。

英語に関しては、当時は海外に出るなんて思ってもいませんでした。
当然、それまでの人生で海外への憧れなど一度もありません。
UCLAに留学の際もインプラントの勉強と私の中では割り切っていましたから、
一年間という限られた時間の中で歯科技工と英語の両立は難しい、
どちらも中途半端になることだけは避けたいという思いから諦めていました。

結果的に今も英語ができなくて苦労はしているんですが、
言葉によるコミュニケーションにも限界は感じていますし、そもそも万能ではない。
日本人同士でもちょっとした言い回しで誤解は生まれるものです。
言葉の問題がないからと言って、歯科技工で食べていけるわけではありません。
やはりここでも歯科技工(ビジネスとしての役割)と英語の両立は難しく、
どちらも中途半端になりそうで、いまだに英語は後手後手に回ってしまいます。

あまり器用な人間ではないのでしょう。

備えあれば憂いなしなのですが、人生はどう転ぶか分からない。
確かに、先を見据えることは大事。
しかし、今を一生懸命に生きることの方が難しく、より大事だということ。
学生であることの本分をわきまえ謙虚に教えを請う、そして一生懸命に励む。
今だからこんなことが言えますが、学生の頃を思うと恥ずかしいかぎりです。
それらのことにもう少し早く気付けていたならと、当時の自分が情けなく思えます。

周りの大人は間違いなく、それらしいアドバイスをしてくれていました。幾度となく。

しかし、若さ故なのか。聞こえない、心に届かないことが多かった。
最近になり少しずつですが、外部からの声が届くようになりました。
年を取ったということなのか。それでもいまだにちっぽけなプライドが邪魔をする。

雑音にフィルターをかけ、耳を澄まさなければ聞こえない。
誰も何も言ってくれなくなる前に...。