2010/05/31

アップル

とうとう日本でも発売されたiPad。
何かと話題になっているようですが、その使い道には疑問も。
そもそもモバイルなら携帯やノートパソコンでも十分だと思っているし、
サイズ的にも中途半端な気がして...。

あまりに騒がしいので、“百聞は一見に如かず”。

先週末、近くのアップルストアへ行ってきました。まず、液晶の美しさに驚いた。
実際に手に取ると、中途半端かなと思えたサイズは絶妙。
サクサク動くし感度もいい。操作性には感動すらしてしまった。
欲しい...。

おそらくもう少し待ったら、カメラ内蔵になるのでは。
あのアップルですから、それぐらいは考えていそうで...待ってみようかな。

関連記事を調べているうちに最近、
「株式時価総額で、アップルがマイクロソフトを超えた。」なんて記事を目にした。
このところのアップルの快進撃は、この人なしでは語れない。

スティーブ・ジョブス。あまりにも有名なので今更なのですが。
アップルの創業者ですね。最近のGoogleやAdobeとの対立も気にはなりますが。
好きも嫌いもはっきりしていて、どこか人間味を感じてしまう。
おそらく、そんな人だから常に前を走り続けることが出来るのだろう。

変化への期待と未知への好奇心は、人を常に新しいものへと駆り立てる。

2010/05/22

凌ぐ
















#7,8,9,10 Diagnostic Wax Up for Laminate Veneer

あるドクターは診断用のワックスアップから、私に手掛けさせてくれます。
そのワックスアップをもとに支台歯形成を行い、
プロビジョナルレストレーションをドクター自ら製作します。

患者の口の中で一定期間使用されるプロビジョナルレストレーションは、
ある程度の強度と審美性、また生体に調和したもので無ければなりません。
彼らは見事にそれらを再現し、参考用模型を作り、私に提供してくれます。
おそらく、チェアサイドで手間暇かけたであろうそのプロビジョナルは、
歯科技工士にとって重要なインフォメーションを与えてくれる。

また患者にとっても、理想的な形態を実際に口の中で再現しているため、
最終的な外形をイメージしやすく、結果的に患者からの満足も得られやすい。

うちではワックスアップ1歯あたり$35請求させていただいている。
単純に時間だけではなく、その作業の重要性または技術料を考慮し理解を頂いている。
患者にも歯科医師にも、そして、私たち歯科技工士にも最終的なゴールを定める事は、
審美歯科治療を成功させる上でとても重要な事だ。

図面や打ち合わせ無しで建てられた家が、
その家主の満足を満たすものであるはずが無い。
また長い間、安心して住み続けることのできる家であるはずも無い。
いきなり柱を打ち込む大工に、大切な家を任せる家主はいないだろう。

いきなり歯を削る歯科医師に、大切な歯を任せる患者は...

2010/05/12

課題











  





USC ( University of  Southern California )

先週末、USC ( 南カリフォルニア大学 ) に行ってきた。
目的は、桑田正博先生の講義を受講するため。

桑田先生に初めてお会いしたのが2000年の4月。
クワタカレッジでのコースに参加させていただいたのがきっかけ。
アメリカ行きを決めていた当時、とはいえポーセレンの経験がまだまだ十分とは言えず、
PFM(金属焼付ポーセレン)を、あの桑田先生から学べるというまたとない機会、
ぜひ参加したいと思い、慌てて申し込んだのを覚えています。

私にとって桑田先生は書物の中の人。とても遠い存在の人でしたから、
「海外での生活は素晴らしい経験になるはずだよ、頑張って!」と、
優しく声をかけて下さったこと、とても嬉しかったです。

今回もそうですが、先生からは沢山の事を教わりました。
技術や知識はもちろんなのですが、医療に携わる者としての理念や哲学。
歯科技工士として、一人の人間として、志とその情熱を絶やすことなく努力する大切さ。
限られた時間ではありましたが、 今回も改めて考えさせられました。

当時の自分、そして今。時間の流れと共に、置かれている状況もだいぶ変わりました。
今の自分だから理解できる事もあるし、また見えていなかった新しい気付きもある。
何年たっても、いくつになってもこのような機会には出来るだけ参加したいと思いました。
今、この瞬間の自分にとって必要なことが見えてくるような気がするからです。

一つ心残りなのは...

「その節は大変お世話になりました、またお会いできる日を楽しみにしております。」

お忙しいところご挨拶させていただいたのに、この一行が言えてなかったです。

10年経っても相変わらずな私。次回、お会いする日までの課題です。

2010/05/05

答え
















#15 PFM Crown   Creation CC

人は離乳食を口にする頃から乳歯が生え始め、6歳頃から永久歯に生え変わる。
ぞれぞれ違った歯の形、色、並びを持ち、外見同様それぞれの個性が現れる。
永久歯は基本的に生え変わることがないため、何らかの原因で失った永久歯は、
歯科技工士が作る人工物によって、その機能を回復する必要がある。

世界的に有名な歯科技工士が作り出す人工物は、限りなく本物に近い偽物。

そこにあったであろう天然歯のみが記録していた情報を、
あらゆる角度から考察し模造する。一つ一つ丁寧にカスタムメイドで作り出す。
それぞれに違う天然歯の持つ個性、高い技術力を持ってそれに挑む。
しかし、それも想像の域を超える事はできない。

究極に追い求めても完璧ではなく、その究極が答えでもない。

歯科技工士が100人いれば100通りの被せ物が出来る。
それは経験や技術、志や価値観によって大きく違ってくる。
どこかの歯科技工士が、どんな材料を使い、どんな知識と技術で作ろうが、
それが仮に歯科技工士免許を持たない者が作った歯科技工物であったとしても、
必ずしも間違いではない。

ただ一つ、間違いがあるとするなら、

作り出された人工物によって、
何らかの疾患を発症する原因を作ってしまう可能性がある場合だ。
口の中で機能する人工物は安全であり続ける必要がある。
日本では昔から、知識と技術を持つ者だけが歯科技工を業とすることが認められてきた。
それは長い間、日本国民にとってかけがえない安心感を与えてきた。

一部の心無い人間によって脅かされるのなら、その責任は重い。

患者が心から喜んでくれ、またその歯科医院に足を運ぶ。
一人の患者を何十年にもわたり診続ける、安心して通い続けられる歯科医院。
安心という価値観には永続性がある。

一つの答えなのかもしれない。